「マンションの共用部分は誰が管理しているのだろう」と気になったことはありませんか?業者が管理しているマンションが多くありますが、管理組合が自主的に管理している自主管理のマンションも少なくありません。しかし、この方法には注意すべき点があります。今回はマンションの自主管理で発生しやすいトラブルや防止法を紹介します。
マンション自主管理には3つの方式がある
分譲マンションを購入すると、マンションで部屋を所有する住民の権利と義務を定めた「区分所有法」に基づき、管理組合(マンションの区分所有者で構成)に加入しなければなりません。組合は、マンションの建物や共用設備の整備、保守などを行います。
管理会社に委託せず、組合が直接管理する「自主管理方式」、マンションの管理会社に全ての業務を委託する「全部委託方式」、一部の業務を会社に委託し、それ以外の業務を組合が行う「一部委託方式」の3種類の方法があります。
自主管理方式を行う場合、組合は管理費の徴収や決算に関する会計業務、設備の点検、清掃業者の決定、マンションの居住者(区分所有者)の名簿などの個人情報の管理も行います。この方法には、業者に委託する必要がないためコストが安いというメリットがあります。
しかし、これらの業務を全て組合で行うのはかなり大変です。そのため、業務を全て会社に委託する全部委託方式を採用しているマンションも少なくありません。マンションの管理業務を専門に行う会社はノウハウを蓄積しているため、全部委託を採用しても基本的に不都合はありません。
コストは削減したいが、一部の業務を外部に委託したいというのであれば一部委託方式が適しています。全部委託方式より低コストですが、委託する業務によってコストが変化します。組合や住民のニーズによってどの方式を採用するか決めるとよいでしょう。
自主管理で起こりやすいトラブル
自主管理はトラブルを引き起こしやすいという指摘があります。どのようなトラブルが発生するのでしょうか。よくあるトラブルが、管理費や修繕積立費の徴収ができないといった金銭トラブルです。費用をしっかり集められなければ、共用部分の管理がままならないだけではなく、所有者の間で不公平感が生まれる原因となるでしょう。
マンションの区分所有者が誰なのか把握しきれていないという問題もあります。運営面でいえば、理事会や総会を開催していなかったり、設備点検が行われていなかったりといった問題もあります。
こうしたマンションは多くの問題を抱えているのです。なぜ、こうしたトラブルが起きてしまうのでしょうか。その理由として挙げられるのが運営ノウハウの不足です。組合がマンションを適切に運営するノウハウを持っていないために、様々な問題が起きても解決できず、状況を悪化させているケースが少なからずあるのです。
事務処理能力の低さも、こうしたトラブルの原因となります。組合の帳簿付けを行う会計担当者が大変であるためなり手がおらず、同じ人が担当し続けるといった問題もあります。そうした状況が続けば、チェック体制が甘くなってしまう可能性があり、不正の温床となりかねません。会社を入れずに自主管理でマンションを運営するのであれば、組合の役員となっている人がマンションを運営するノウハウを身につけなければなりません。
そうしなければ、管理不全なマンションとなってしまうでしょう。そうなれば、マンションの資産価値が落ちてしまうため、住んでいる人全員が損失を被ってしまうかもしれません。
トラブル防止には管理会社や管理システムの切り替えが有効
トラブル発生を防ぐにはどうするべきなのでしょうか。2つの方法が考えられます。1つ目の方法は、自主管理から全部委託方式、あるいは一部委託方式に切り替える方法です。会社に業務をゆだねるメリットは、ノウハウを持つ事業者にマンションをゆだねられることです。
マンションの管理費をこれまで以上に増額する必要はありますが、トラブルの発生確率を大きく下げられるでしょう。その場合、コストの安さだけで選ぶと期待した管理がなされず、不満が募る結果になるかもしれません。
会社を決めるときは会社の実績を調べると同時に、その会社が管理している別の物件に足を運び、共用部分の状況を確認するべきでしょう。2つ目の方法は、自主管理に適した管理組合向けのシステムを導入することです。
管理費の徴収や決算書類の作成、支払や名簿の管理などマンションの運営を行うための必要な機能が搭載されたシステムを導入することで管理をしやすくできます。役員個人の能力に頼るのではなく、誰が役員になっても組合の業務を担当できる体制を作るのが望ましいといえるでしょう。
まとめ
今回はマンションの自主管理の種類や起こりやすいトラブル、トラブルの防止法について解説してきました。「マンションは管理を買え」という言葉があるように、分譲マンションで重要なのは共用部分を含めたマンション全体の管理です。
専門業者に管理を委ねる場合は、適切な業者選びが大切です。また、自主管理を継続するのであれば誰が担当しても円滑にマンション運営ができる仕組みの導入が必要不可欠です。
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引用元:https://inovv.jp/
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