マンションを所有しているオーナーにとって、保有物件の苦情はできるだけ早く解決したいのではないでしょうか。にもかかわらず、管理会社の動きが鈍いと苛立ちを覚えてしまうかもしれません。そんなときはどうすればよいのでしょうか?今回はマンションの管理会社の対応が遅いときのオーナーの対応を紹介します。
実際にあったクレーム事例と対策を紹介
賃貸物件で最も多く寄せられる苦情は騒音に関することです。上階からの足音や隣の部屋の生活音、ペットの鳴き声、楽器の演奏、近隣の建物のリフォーム工事の音や周辺地域の工事の騒音、深夜早朝の洗濯機や乾燥器の音、子どもが走り回る音や子どもの声、駐車場の騒音、換気扇の音など、数々のクレームが寄せられます。
騒音に関するクレーム
騒音に関するクレームが発生した場合は建物全体への注意喚起からスタートします。共用部分(廊下・エントランス・階段・エレベーターなど)に注意喚起の紙を貼って注意します。その際は、誰かを特定するような表現は避けましょう。
貼り紙で問題が解決しなかった場合は、全ての部屋にポスティングを行い、クレームが来ていることを伝えたうえで配慮を促します。これらの措置を経ても改善が見られなかった場合は、クレームの対象となっている居住者と話し合いを行います。
その際、ただ単に「音を出さないようにしてください」というだけではなく、騒音を軽減するためのアドバイスも行いましょう。話し合いの際は、一方的にクレームの対象者が悪いと決めつけるべきではありません。
なぜなら、クレームを入れた側に問題があるケースもあるからです。その場合は、クレームを入れた側とも話し合いが必要となるでしょう。
臭いに関するクレーム
悪臭もよく寄せられるクレームです。悪臭の原因となるのはごみの腐敗やベランダのたばこ、ペットのふん尿などです。悪臭を放置すると臭いが建物に染み付いてしまい、建物の資産価値が大きく損なわれる可能性があるため早期に対応する必要があります。
基本的な対応は騒音と同じですが、騒音よりも早く直接話し合う必要があります。悪臭の原因が共用部分に放置されているごみであることもありますが、共用部分であっても勝手にごみを処分してはいけません。
所有者が「不要物」とみなしていない場合は他人の財産を勝手に捨てたことになり、損害賠償の対象になる恐れがあるからです。
ハトに関するクレーム
ハトに関するクレームも少なからずあります。ハトのふん尿がこびりついてしまうと悪臭の原因になるだけではなく、建物の設備が劣化してしまう原因となります。住民からも窓が開けられない、洗濯物が干せないといった不便を訴えられることもあるため、早期に対応しなければなりません。
ハトが寄り付かなくなるように忌避剤をまいたり、防鳥ピンを仕掛けるといった対策を行い、なるべくハトが寄り付かないようにしましょう。
管理会社のクレーム対応が遅い場合に発生する不利益とは
管理会社に管理をゆだねている場合は、会社が苦情やクレームの対応に当たります。しかし、人手不足などが原因で、早期にクレームに対応できないこともあるでしょう。クレーム対応が遅れることで、会社側にはどのような不利益が発生するのでしょうか。
1つ目の不利益は入居者が定着しない恐れがあることです。クレームへの対応が遅いと入居者が業を煮やして退去するかもしれません。新たな入居者が決まっても、同様の理由で退去してしまうかもしれず、そうなれば物件オーナーの信頼を失ってしまうでしょう。
2つ目は会社の悪評が広がってしまうことです。一度「対応が遅い」というレッテルが張られてしまうと、その悪評を払しょくするのは大変です。3つ目は住民トラブルが増加する恐れがあることです。
管理会社やオーナーが頼りにならないと見るや、住民が自己解決を図る可能性があり、さらなるトラブルを引き起こすかもしれません。こうした事態を引き起こさないために、管理会社はクレームに早急に対応しなければならないのです。
対応が遅い場合に取れる対処法
管理会社の対応が遅いとき、オーナーはどのような対応をするべきでしょうか。まずは、対応の記録をしっかりとることです。担当者の氏名や対応内容について記録します。その際は、電話やメール、SNSを送った時刻などをメモしておきましょう。
「いつ、誰に、何を」依頼したか明確にしておくことで、言った・言わないという不毛な争いが避けられます。改善を約束した後も動きが見られない場合は、日時を指定して会社に行動を促します。
その際は、「なるべく早く」といったあいまいな表現は避け、「〇月△日までに〜を行う」というように、実行する日時を明確にして伝えます。電話での依頼だけではなく、メールで担当者や担当者の上司に伝わるように伝えることも重要です。
文面が残っていれば、いつ、誰に、何を依頼したのかが明確になります。それでもらちが明かない場合は、担当者の上司に対応をかわってもらい、改善を求めます。通常はこの段階で多くの問題が解決しますが、まれに、上司に伝えても動きがない場合があります。
その場合は、店舗に直接赴いたり、会社の本部や本社、お客さまセンターに連絡したりして改善を求めましょう。
まとめ
今回は苦情に対する管理会社の対応が遅いときにオーナーがするべきことについて解説しました。賃貸マンションを保有・運用していると、住民からの苦情は避けられません。苦情に対応してもらうため管理会社に料金を支払っているわけですから、対応が遅いというのは本来あってはならないことです。
ただ、さまざまな理由で対応が遅れてしまうことはあるでしょう。放置することで苦情が解決すればよいのですが、多くの場合、対応の先送りは状況を悪化させてしまいます。そうならないためにも、オーナーは管理会社を動かさなければならないのです。
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引用元:https://inovv.jp/
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