マンションの管理会社を変更したいと思っても、トラブルが起きないか不安という方は少なくありません。実際、変更の手続きや引き継ぎをきちんと行わないと、入居者からのクレームや旧管理会社との問題に発展するおそれがあります。本記事では、管理会社変更でよくあるトラブルの事例と、失敗しないための対処法を解説します。
変更時に起きやすいトラブルの種類
管理会社を変更するとき、どんなトラブルが起きやすいのかを事前に知っておくことが大切です。代表的なものを3つまとめました。
引き継ぎ漏れでクレームが多発する
新旧の管理会社の間で引き継ぎがうまくいかず、入居者から受けていたクレームや要望が新しい管理会社に伝わらないケースがあります。入居者からすると「何度も言ったのに対応してくれない」という不満が積み重なり、退去につながる可能性もあります。
引き継ぎ漏れは管理会社変更でもっとも起きやすいトラブルのひとつです。なかには旧管理会社が故意に情報を伝えないケースもあると報告されており、変更後もしばらくは注意が必要です。
また、鍵や印鑑・通帳といった物品の引き渡しが漏れるケースもあります。書類やデータが整備されていない場合は口頭での引き継ぎになりやすく、内容が正確に伝わらないリスクが高まります。
旧管理会社による嫌がらせ
解約を告げた後、旧管理会社が意図的に引き継ぎを遅らせたり、入居者からのクレーム情報を伝えなかったりする事例があります。入居者募集への対応をしなくなるケースも報告されており、解約通知後から新管理会社への移行が完了するまでの期間に空室対策が止まってしまう場合もあります。
解約の伝え方ひとつで、その後の旧管理会社の協力度合いが大きく変わります。これまでお世話になった感謝を示しながら穏便に進めることで、こうしたリスクをある程度防げます。
変更後に管理の質が下がる
コスト削減を優先して管理会社を選ぶと、清掃が行き届かなくなる、対応が遅くなるといった不満が出やすくなります。料金だけを基準にした選択がトラブルを招く典型例です。実際に、管理委託費を大幅に削減できたものの、その後サービスの質が著しく低下して住民から苦情が相次いだ事例も報告されています。安い料金には安い理由があることを念頭に置き、価格とサービス内容のバランスを見て判断することが重要です。
トラブルを防ぐために事前にやること
トラブルの多くは、準備不足と旧管理会社との関係悪化が原因です。変更を決める前に確認しておくべきポイントを整理します。
解約の通知タイミングと手順
管理委託契約の解約は、原則として3か月前に書面で通知する必要があります。解約通知書には解約日を明記し、郵送で送付するのが一般的な方法です。通知から解約日までの間、旧管理会社の業務がおろそかになるリスクがあるため、早めに新管理会社と連携しておくことが重要です。
また、解約通知を送る前に現在の契約書を確認し、違約金の有無や中途解約の条件を必ずチェックしましょう。契約書に記載がない場合でも、依頼者であるオーナー側または管理組合は契約を解約できます。
引き継ぎに自分たちも立ち会う
引き継ぎは管理会社同士が行うのが一般的ですが、理事会メンバーが立ち会うことで漏れや誤りを防ぎやすくなります。通帳・印鑑・鍵・各種書類などの受け渡しをその場で確認しましょう。口頭での引き継ぎは後からトラブルになりやすいため、内容は書面に残してもらうよう依頼することが大切です。
立ち会いが難しい場合は、新旧両社から引き継ぎの進捗状況を定期的に報告してもらう形をとりましょう。とくに築年数が経ったマンションは設備や入居者の事情が複雑なため、細かい部分まで引き継ぎが行き届いているか、内部事情に詳しい役員が確認することをおすすめします。
新しい管理会社の実績を確認する
国土交通省のネガティブ情報等検索サイトでは、管理会社が受けた行政処分の履歴を調べられます。また、一般社団法人マンション管理業協会の会員一覧では、候補会社の管理戸数を確認することが可能です。口コミだけに頼らず、こうした客観的な情報をもとに判断することが大切です。複数の会社から見積もりを取り、料金だけでなくサービス内容・対応の速さ・担当者の人柄なども含めて総合的に比較するようにしましょう。
変更後も問題が起きたときの対処法
新しい管理会社に変えた後も、思わぬ問題が生じるおそれがあります。変更後に起きやすいトラブルへの対処の仕方をまとめます。
入居者からのクレームが止まらないとき
変更直後は「以前と違う」という不満の声が上がりやすい時期です。管理のやり方が変わった影響で、入居者が戸惑いを感じるのは自然なことでもあります。こうした事態を防ぐには、変更前に入居者全員へ変更の理由と新体制のメリットを丁寧に伝えておくことが有効です。
旧管理会社の欠点を強調するのではなく、新しい体制でどのように改善されるかを前向きに説明することがポイントとなります。変更後もしばらくは入居者からの問い合わせに迅速に対応できる体制を整えておくと安心です。
新管理会社の対応が期待外れだったとき
契約前に確認した業務範囲と実際のサービスが異なる場合は、契約書の内容をもとに話し合いを求めることが基本です。旧管理会社が行っていたサービスが新管理会社の基本契約に含まれていないケースもあるため、契約前に新旧の管理委託契約書を細部まで比較することが重要です。
話し合いでも改善が見られない場合は、再度の管理会社変更を検討することも選択肢のひとつです。同じ失敗を繰り返さないよう、次回は選定のプロセスをより丁寧に行いましょう。
まとめ
マンションの管理会社を変更するときは、引き継ぎの漏れ・旧管理会社とのトラブル・新管理会社の質の低下という3つのリスクに注意が必要です。トラブルを防ぐには、解約の手順を事前に確認すること、引き継ぎに理事会メンバーが立ち会うこと、そして新管理会社を料金だけで選ばないことが重要なポイントとなります。また、旧管理会社とは最後まで良好な関係を保つよう心がけることも大切です。事前にしっかりと準備を進めれば、変更後のトラブルをぐっと減らせます。管理会社選びを慎重に行い、マンションの住み心地と資産価値をしっかり守っていきましょう。
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引用元:https://inovv.jp/
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