マンション適正評価制度とは？評価項目と活用のメリットを解説

マンション適正評価制度とは、マンションの管理状態を数値化し、評価する制度のことをいいます。6段階で評価し、インターネット上で情報を公開するしくみです。この記事では、マンション適正評価制度の概要や評価項目について詳しく解説します。また、適正評価制度を活用するメリットも紹介しますので、参考にしてみてください。

マンション適正評価制度の概要

マンション適正評価制度は、マンションの管理に関わる評価基準を策定し、適切に管理できているのかを評価し、インターネット上で情報を公開するしくみです。評価項目は5つのカテゴリーから構成され、30項目あります。

評価は0から5まで6段階で示され公開されます。以前までは明確な基準がなかったため、適切な管理ができているのか判断できませんでした。しかし、マンションの良好な居住環境を維持するためには、適切な維持管理と経年劣化を抑制することが欠かせません。

これらの目的を果たすために適正評価制度が始まりました。マンション適正評価制度では、評価結果が1年に1度更新されるため、定期的に最新の管理状態がチェックできるようになります。

情報が公開されることにより、管理の適切性を市場で評価することが可能です。評価結果に関しては、総会の決議を通すことで、インターネット上で公開が可能です。

マンション適正評価制度の利用には、登録料や評価および申請手数料が必要です。評価および申請手数料は、評価をする管理会社や評価者へ支払う手数料であり、金額は自由に設定できるので明確に定められていません。

適正評価制度における評価項目

適正評価制度における5つの評価項目を紹介します。

管理体制

マンション管理をするためには、管理組合体制や適切に運営していくことが重要です。組合の運営をおこなうためには、適切なルールや組織がなくてはいけません。事業計画や重要事項を決定する総会の定期的な開催、管理規約が存在するのかなど、基本的なポイントをチェックされます。

建築・設備

マンションは、建物を健全に維持していくために、定期的な点検と適切なタイミングでの修繕工事をおこなわなくてはいけません。計画的な修繕工事がマンションの寿命を左右するため、修繕工事計画があるかどうかがチェックされます。

また、法定点検をもとに建物や設備の経年による機能の維持・劣化・破損などについて、定期的に点検がおこなわれているのかチェックされます。

管理組合収支

マンションの管理は、居住者から徴収する管理費が大きな資金です。そのため、マンション内での滞納状況と、滞納住民への対応状況などをチェックされます。

また、修繕積立金を安定的に徴収し、計画的な修繕工事を実施できる資金計画についてもチェックされます。5つの評価項目の中でも最も配点が高いのが特徴です。

耐震診断関係

新耐震基準が適用されていないマンションは、耐震性が十分でない可能性があります。地震の被害を最小限にするためには耐震化が重要です。

耐震診断の実施をしていることや、耐震改修工事を実施しているかなど、建物の安全性をチェックされます。今後の耐震改修の予定も確認されるでしょう。

生活関連

マンション内でのコミュニティ形成は、トラブルの防止や防災減災、防犯面などの観点からも重要となります。消防訓練の実施状況や自然災害に対する防災マニュアルの作成、災害時の安否の確認体制など、基本的な対策や整備状況についてチェックされます。

適正評価制度を活用するメリットを紹介

マンション適正評価制度を活用するメリットを紹介します。

市場価値の向上

マンション適正評価制度では、マンションや管理組合の管理状態への評価が公開されます。マンションは同じ築年数だとしても、管理の状態によって価値が大きく異なることもあります。

そのため、評価制度で高い得点をとることで、評価の低いマンションや情報公開していないマンションと比べると、市場価値の向上が期待できるでしょう。評価の有効期限は1年間なので、最新の情報を確認できる点も魅力です。

購入希望者の不安を解消

既存のマンションを購入する際は、マンションの管理面を気にする方も多いでしょう。しかし、実際の管理面は、外から見るだけでは分かりません。

見た目はきれいなマンションでも保守面が不十分な場合や、修繕の手配が遅い場合は、管理ができてない可能性が高いです。今までは住んでからしか分からなかった部分も、事前に管理状況を把握できます。

管理組合の運営がしやすくなる

審査項目が決まっているので、目的や課題を明確にしやすくなります。そのため、管理組合の運営がしやすくなるというメリットがあります。

また、管理体制を改善するために意識することや、建物や設備の状態を維持するために実行するべきポイントを常に意識できるようになります。ひとつひとつの課題に取り組み改善していくことで、全体の管理の質も上げられるでしょう。

まとめ

マンション適正評価制度について紹介しました。マンション適正評価制度により、今まで明確になっていなかった管理の内容を、定期的にチェックできるようになりました。管理組合が適正に管理することで、長く住み続けられます。マンションの適正評価制度を活用することで、マンション資産価値の向上も期待できます。マンションの質を高めるためにも、マンション適正評価制度を積極的に活用するとよいでしょう。